[2005.04.23]
  深閑閑静静粛の間


 ▼Woody Norris has a way of getting inside your head(Popular Science)【英語】
  http://www.popsci.com/popsci/bown/article/0,16106,388134,00.html


 すべてのスピーカーがハイパーソニック・サウンドになれば,数歩歩けば雑音は消える。この社会は,ちょっとだけ生きやすくなる。

quote:発明家のウッディ・ノリス氏は,これはオーディオの77年の歴史の一大事だと述べる。彼の発明したハイパーソニック・サウンドは,伝統的なスピーカーとは異なって150ヤード(約137m)離れても音質や音量が衰えず,レーザーのように音が直進する。わたしは9月にノリスと会ったが,彼は30フィート(約9m)離れてわたしに7インチ平方のエミッターを向けた。すると突然,わたしには自分の頭のなかで鳴り出したかのように,鳥の鳴き声が聞こえてきた。高周波の信号は拡散せずに進み,空気に当たって超音波を引き起こすことによって,音が聞こえるのだ。

 記事ページにノリス氏がそのエミッターを持っている写真があるが(キャッシュ),単なる板にしかみえない。だがこの板から音がビームのように進み,ビームに当たった人には音が聞こえる。ちょっとでもずれて当たらないと音は聞こえない,らしい。記事にあるが,ひとつのフロアで片方をディスコホールに,もう片方をサルサホールにすることもできるし,周囲の家庭に騒音をまき散らすことなく救急車のサイレンを街路に響かせることができる,らしい。トンデモ系かどぉか試してみたいものだが,お値段も600ドルと手ごろだったりする。

 とかくこの世は雑音だらけだ。選挙なんてあると右から左から聴く必要もないマイク音声がきこえてくるし,近くにいるiPod野郎からは聴きたくもないアニソンが漏れている。近くのダンス教室は週に3回足踏みとともに楽曲を垂れ流し,食事をする場所を大声を出す場所と勘違いしている変人も多い。ハイパーソニック・サウンドがマヂモノなら,いますぐ音声の聴こえる範囲を固定し,そして逆に要らない音声を遮断する装置として使えるだろう。たとえばヘッドフォンに使えば,音は直進して耳に穴に入るだけで,周囲に漏れずにすむ。世界は少しだけ,静かで穏やかになるだろう。

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